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出版社紹介シリーズ ―医学書院



「出版社紹介シリーズ」では、メディカルガレージが医学系の出版社を一社ずつ紹介していきます。
会社概要や人気の医学書・医療雑誌、対象の読者などを独自の視点で解説します。

記念すべき第一弾は、学生時代から何度も手にしている「医学書院」の紹介です。


医学書院とは?


医学書院Webサイト

東京都文京区に本社を置く医学系出版社です。
創立は1944年。約75年間の歴史を誇ります。

医療に関わる人間であれば、必ず医学書院の医学書を手にしたことはあるかと思います。
国内の医学系出版社の中では、誰もが認める最大手です。

医学生、看護学生向けの教科書が数多く発行されており、特に看護学校では圧倒的なシェアを誇っています。
そのため、医学書院では医学生向けの書籍をまとめたページも用意しています。
→医学書院 医学生向けテキスト

教科書の他にも年鑑書や雑誌も多数発行しており、電子書籍も業界の中ではいち早く着手して発売をスタートしました。
医学系雑誌25誌、看護系雑誌9誌は、いずれも国内の出版社では最大数です。

参考:Wikipedia


代表的な医学書

■プロメテウス解剖学アトラス



解剖学といえば、このシリーズを連想する方が多いのではないでしょうか?
ページ数が多く価格も高いですが、医師・医学生にとどまらず、医療に携わる幅広い人々から支持されています。

原著版元のThieme社はドイツの医学系出版社です。
リアルで精細な高いクオリティのイラストが大きな特徴とも言えます。

頭頸部/神経解剖

胸部/腹部・骨盤部

解剖学総論/運動器系

口腔・頭頸部

に加え、内容が凝縮された

コア アトラス

コンパクト版

も存在します。


■標準医学



医学生向けの教科書のシリーズで、「基礎系」と「臨床系」があります。
ほぼ全領域を網羅していると称されており、それぞれ定期的に改訂も行われている(最大で標準微生物学の第13版)ため、医学の教科書の代名詞とも言えるのではないでしょうか。

高価格ですがその分ボリュームもあるので、学生時代に購入して医師になった後でも、基礎の確認や復習に使用することができます。

高価で種類が多いので、全てを買い揃えるという人は少数のようです。
詳しく勉強したい分野を抜粋、中古の市場をうまく活用するなどして購入することをお勧めします。


基礎系一覧(13種類)
標準解剖学

標準組織学 総論(第5版)

標準組織学 各論(第5版)

標準生理学(第8版)

標準薬理学(第7版)

標準病理学(第5版)

標準微生物学(第13版)

標準医動物学(第2版)

標準免疫学(第3版)

標準公衆衛生・社会医学(第2版)

標準法医学(第7版)

標準細胞生物学(第2版)

標準生化学


臨床系一覧(18種類)
標準臨床検査医学(第4版)

標準救急医学(第5版)

標準放射線医学(第7版)

標準腎臓病学

標準血液病学

標準神経病学(第2版)

標準精神医学(第7版)

標準呼吸器病学

標準小児科学(第8版)

標準皮膚科学(第10版)

標準脳神経外科学(第14版)

標準小児外科学(第7版)

標準整形外科学(第13版)

標準リハビリテーション医学(第3版)

標準産科婦人科学(第4版)

標準耳鼻咽喉科・頭頸部外科学(第3版)

標準泌尿器科学(第9版)

標準麻酔科学(第7版)


■今日の治療指針



各科の疾患に対する最新の治療法を専門家が執筆した治療年鑑で、毎年1月に新しく刊行されます。
疾患項目は毎年全面書き下ろしとのこと。なお、2019年版の疾患は1,163項目が選定されています。

60年にわたって安定して支持をされており、目立つ競合書も存在しません。
購入特典として、パソコン、スマートフォン、タブレット端末でもweb電子版の『今日の治療指針』を無料で閲覧できます。

医師は勿論ですが、「患者説明のポイント」「看護・介護のポイント」も記載されているので、薬剤師・看護職・介護職の方の役にも立ちます。
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■臨床検査



約20年の歴史がある医療雑誌です。
「検査で医学をリードする」をキャッチフレーズにしており、様々な論文を掲載した特集形式となっています。年2回(4月・10月)増刊号も発行しています。

「臨床検査」は幅広いジャンルにおいて精通し、最新の知識・情報もわかりやすく解説されていますので、毎月特集内容をチェックしておいて損はないかと思います。
また、連載企画も充実しています。
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その他チェックポイント

先にも述べましたが、医学書院は電子書籍にいち早く着手し、今では「医学書院eテキスト」というアプリを利用したサービスが提供されています。

「医学書院eテキスト」は、「標準医学」「系統看護学講座」「標準臨床検査学」など(今後対応書籍は増える予定)のデジタルテキストをタブレット端末で閲覧することができます。
2018年2月からWindows端末も対応となりました。

「iTexビューア」という無料アプリを利用して提供されたテキストを閲覧することができるのですが、「しおり」や「メモの書き込み」、「マーカー機能」(文章や用語にマーカーを引く)等の機能も充実しています。

閲覧している書籍内だけでなく、本棚の全書籍を対象にしたキーワード検索も可能です。
更に動画の再生まで出来るので、実際の書籍よりもメリットは多くあります。
紙の医学書は売るなどして手放し、電子書籍へ移行するのも、自然な時代の流れと言えるかもしれませんね。



以上、医学書院についての紹介でした。
今後も不定期ですが、出版社を紹介していきたいと思います。