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医大生・研修医向け 医学書の種類と失敗しない選び方



医学書のジャンルは言うまでもなく多岐にわたりますが、種類は「読み物」「教科書」「医学雑誌」「マニュアル・ハンドブック」「試験対策本」の5つに振り分けられます。

価格は同じ種類の中でもバラつきがありますが、安いものでは1,000円程度、高額なものでは10万円近くする分厚く高級な書籍もあります。
購入するならできるだけ無駄な買い物はせず、自身にとって価値が高い書籍だけを選びたいですよね。

そこでメディカルガレージ独自の視点にはなりますが、主に医大生、看護学生、研修医の方々へ向けて、「無駄にお金をかけない、失敗しない医学書の選び方」を解説します。



【読み物】

伝記や事例など、医師の人生経験や医療の歴史に関連する書籍が、医学書においての「読み物」とされています。
中には医療業界とは関係のない、一般の人々から支持される書籍もあります。
専門的な内容ではないエッセイ本も含め、書店では基本的に「一般医学」の棚に並んでいます。

知識をつけたり学習に役立てたりするというものではありませんが、医療に携わる者として指針となるような作品も多くあります。

分野を問わないため購入対象者が多く、インターネット上に多数のレビューが掲載されている作品もあります。
ヒット作品であれば図書館に置かれていたり、中古本として流通していたりもしますので、話題になっている書籍は気軽に手にすることができます。

価格自体も1,000~3,000円程度なので、購入しても大きな金銭的負担はありません。


近年では飛鳥新社から出版されている「100歳の精神科医が見つけた心の匙加減」(著:髙橋 幸枝)が16万部を超えたベストセラーとして話題になっています。Amazon販売ページ

また、昨年海竜社から発売された「私はどこで死んだらいいの? 在宅か施設か、それとも病院か。賢い臨終の選び方」も、患者や家族の方々の実際の声を元にした読み物として注目されています。Amazon販売ページ

どちらも多くの患者と向き合ってきた経験豊富な医師が手掛けた作品なので、まずはこのいずれかから手にしてみるのも良いかと思います。



【教科書】

一般的に医学書としてイメージされるのは、この教科書に当たると思います。
各科の専門的な情報が書かれており、学生からベテラン医師まで、医療に携わる誰もが勉強や情報の確認に使用します。

ページ数や価格は本によって大きく異なり、5,000円~30,000円が相場と言える範囲です。

洋書を翻訳したものは大判でページ数が多く、高額で重量のある書籍があります。
中には医学書院から販売されている「プロメテウス解剖学アトラス コンパクト版」のように価格も安いコンパクトサイズが用意されていることもあるので、一度そのようなものが販売されていないか確認してみても損はないかと思います。Amazon販売ページ


そして教科書を購入するうえで気を付けなければいけないのは、「改訂版」の有無です。
改訂版が存在しないまま出版されている本であれば中古で購入しても問題ありませんが、改訂版がある本は多かれ少なかれ情報が更新されています。

特に薬は次々に新薬が開発されたり認可されたりするので、年に1度本を買い替えても追いつかないという声も耳にします。

一度本を購入したとしても、専門分野のものであれば、改訂版として新たに発売された本は購入したほうが良いでしょう。

ただし、そうすることで結果的に同じ本を何冊も購入することになるのは事実です。
毎回新刊を購入するわけですからその都度お金もかかってしまい、勿体ないと感じてしまうのも仕方がありません。

そこで最もオススメなのが医学書の買い取りです。

改訂前のものだったとしても、やはり医学書には価値があります。
改訂版が出た直後あれば、改訂前の本は中古本として多くは出回っていないので、買い取り価格も高くなりやすいです。

購入と売却のサイクルが出来れば、改訂されやすい本もその都度安く購入することができます。

また医学書に限った話ではありませんが、本自体の価値よりも本の状態の方が買い取り価格に影響します。
中古本の品質と買い取り価格についてはこちらにまとめていますので、良ければご覧ください。



【医学雑誌】

医学雑誌は出版社から定期的に発売される医学書で、それぞれ対象読者の的を絞った傾向があります。

医学雑誌には大きく分けて2つの種類があります。

1つは最新の医療情報やエビデンスなどを中心とした学術的な内容が主なものです。
「眼科」「アレルギー」など、1つのジャンルに的を絞った雑誌はこの部類です。

もう1つは読者のレベルに合わせて内容を構成する形式のものです。
「研修医向け」「開業医向け」など、対象者に合わせた情報を提供しているのはこの部類です。

この形式の雑誌の中で代表的なシリーズと言えば、研修医を主な対象としている医学書院「レジデントノート」です。ベテラン医師、看護師、救命救急士も読者に多く、20年間に渡り医療関係者に読まれ続けています。Amazon販売ページ

医学雑誌は1,000~4,000円くらいが相場で、それほど高額ではありません。
それに長期に渡ってコンスタントに発売されているので、インターネットや口コミで雑誌の評価を確認することも簡単にできます。

出版社などの定期購読システムを利用することで安く購入できますので、レンタル本や中古本などで試し読みをして検討してみても良いでしょう。



【マニュアル・ハンドブック】

医学書の中では辞書のようなポジションです。

持ち運べることにも重点を置かれているため、他の医学書と比較するとコンパクトなサイズです。
価格は5,000円前後が基本で、高いものでも10,000万円に満たないくらいです。

小さくても中には必要な情報が凝縮されているので、常に手元に置いておいておけば、情報の確認や調べものにとても役立ちます。

この種類での代表的な医学書は南江堂「今日の治療薬」です。
発刊から40年という歴史があり、Amazonでもベストセラーとされています。Amazon販売ページ

しかし、こちらも教科書と同様に改訂されることがあります。
治療薬の情報が追加されたり、診療のガイドラインが変更したりすれば、改訂版を購入したほうが良いのは当然の話です。

この「今日の治療薬」が常に売れ続けているのは、改訂の回数が多く、その度に購入している人が多いということです。

いずれ改訂版と買い替える前提で購入した本を大切に扱い、できるだけ高値で業者に買い取ってもらうのも良い方法かと思います。



【試験対策本】

過去問題集など、医師国家試験への対策本です。

Amazonなど書籍を扱うサイトでは医師国家試験に関連する書籍のランキングを公表しており、書店でも人気のシリーズは目立つように置かれています。Amazon売れ筋ランキング

この試験対策本の購入は余程古いものでなければ中古本でも十分活用できますし、逆に必要がなくなれば売却しても良いかと思います。

と言いますのも、これらの試験対策本も決して安いものではありません。
1冊でも5,000円、10,000円とかかるのに、それがシリーズとして存在しているので、買い揃えるとそれだけでもかなりの出費になります。

本にマーカーを引いたり書き込んだりすると買い取り価格は極端に下がるので、そのように本を利用する方は安く流通している中古本の購入の検討をお勧めします。



以上が無駄にお金をかけない、そして失敗しない医学書の選び方になります。
大きなポイントをまとめると

・購入者の評価やレビューを参考にする
・図書館や中古本を活用する ※改訂版がある本は注意
・改訂の多い本、読まなくなる可能性がある本は大切に扱って高く買い取ってもらう


の3つです。

メディカルガレージは医学書の買い取りと販売を行っており、現時点での「リアルタイム査定」を、いつでもワンクリックで行うことができます。

もし買い取りを検討している書籍があれば、試しにISBN番号を入力してお見積もりを行ってみてください。
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